前回の記事では、毎日の食事がいかに大切かということについてお伝えしました。
こちらでは、まだまだ知らない人も多い、日本人の食にひそむ様々な危険性についてお伝えしたいと思います。
「お店で売られている食品は、どれも安全なもの」そう思ってはいませんか?
実はそうではない現状が、日本にはたくさんあるんです。
食にある危険性の基本的な知識を、こちらではおさえていきましょう。
また、さらに詳しく知りたい方には、関連記事として、食に関する私の他のブログ記事も読めるようにしてあります。
興味がある内容は、ぜひ関連記事からさらに詳しく読んでみてくださいね!
ゆるすぎる日本の基準値
世界の国々では、その国ごとに、国民の健康を守るための様々な安全基準がもうけられています。
日本でももちろん、様々な基準が国によって定められています。
でもその基準って、本当に国民の健康を守れる、適正な基準なのでしょうか?
日本は食に限らず、電磁波の安全基準や住宅の建築基準法など、それで本当に国民の健康が守れるのか疑わしい実態がたくさんあります。
世界の先進国と比べても、その基準値はあまりにも違いすぎていることが多いんですよ。
基準が定められていても、それが適正値ではない現状が日本にはたくさんあるということを、まずは知らなくてはいけません。
ではなぜその基準は、適正なものになってはいないのでしょうか?
それは国民の健康よりも、企業や会社の利益が何よりも最優先されているからです。
だから私たちは「売られている物は全て安全なもの」と思うのではなく、家族の健康を守るために、まずは正しい情報を知ることが大切です。
健康に悪影響が少ないもの、家族にとって本当に必要なものを、自分で選び取っていく必要があります。
小さい子どもほど影響が大きい
東日本大震災の時に、放射能が大きな問題になりましたよね。
その時に、子どもは放射能に対して、大人よりも感受性が高いという話を聞きませんでしたか?
私たち人間は、小さい子どもほど、物質に対しての感受性が高くて、影響が大きく出てしまうという場合がたくさんあります。
放射能以外にも例えば、電磁波や食品添加物、農薬、様々な化学物質など、体が小さい子どもほど大きな影響を受けてしまいます。
電磁波の影響で街からスズメがいなくなったり、農薬の影響でミツバチが減少しているという話を聞いたことはありませんか?
体がより小さい生き物の方が、人間よりも先に大きな影響を受けているのですね。
子どもよりも赤ちゃんが、そしてさらにはお腹の中にいる胎児の方が、影響を受けやすくなります。
だから妊娠中のお母さんは、いつも以上にいろんなことに気を付けて過ごしますよね。
生まれたての赤ちゃんには、赤ちゃん専用の洗濯洗剤を用意するのも、一般的な洗剤に含まれているたくさんの化学物質の影響を避けるためです。
食に関しても、まだ身体が未発達で発達の途中にいる子どもや赤ちゃんは、大人以上に気を配って様々な影響から守ってあげたいですね。
食品添加物について
食品添加物は、食品の加工や保存のために、食品に添加されているものです。
味付けのため、香りを付けるため、色を鮮やかに見せるため、酸化や腐敗を防ぐためなど、いろいろな目的の食品添加物があります。
多くの食品は、そのままでは長期間の保存ができないので、長期間の品質保存や食中毒などを防ぐ、安全性の向上のために使われています。
また、持ち運びを便利にしたり、流通を安定させることにもつながっています。
食べやすさ、季節に関係なくいつでも食品を手にすることができるなどのメリットもあります。
食品添加物を使うことで、本当ならば廃棄されるはずだった食品の有効利用もできますし、コストを削減して企業の利益を上げるためにも使われています。
甘味料、香料、着色料、保存料などと呼ばれるたくさんの種類の添加物が、日本では認められています。
その認可されている種類の多さは、世界ではトップクラスで、毎日大量の添加物が消費されています。
スーパーで買い物をすると、添加物が入っていない無添加の食品を探すのが大変なほどですね。
食品添加物の影響で1番心配されるのは、人体への害、特に発ガン性です。
食品添加物は、厚生労働省が1つ1つ毒性のテストを行って、基準を満たしたものが認可されています。
でもこれは、1つ1つの添加物を、単品で使った場合のテストであって、いくつもの添加物を複合的に1度に体内に摂取したらどうなのかという、複合テストは行われていません。
また、この添加物の毒性や発ガン性のテストは、ネズミなどの動物を使って行われます。
ネズミがこの量で悪性の腫瘍ができた、死んでしまったから、人間はこの量までにしておこうというように決められています。
そもそもネズミと人間は、消化能力や日々のストレスなども全く違いますし、長期間に渡って摂取したときの影響は全く考えられていません。
でもこのテストを目安にして、私たちの安全の基準が決められているんです。
この基準が、本当に信頼できる安全な基準だと思えますか?
実際に、2つの添加物を同時に摂取すると、体内で発がん物質に変化して、発ガン性があると明らかに分かっている添加物もあります。
でも、単品使用で認められていれば、日本では普通に食品に使われています。
海外では安全性に問題があって禁止されているたくさんの添加物が、日本では国で認可されているので、食品に当たり前に使われています。
例えば合成着色料は、どれも発ガン性が高くて、アレルギーなども起こしやすいことが、動物実験でも明らかになっています。
子どもの駄菓子やお菓子には、色鮮やかな物も多いですよね。
私たちは1日に、何十種類もの食品添加物を食べています。
その毎日の積み重ねが、家族の健康をむしばんでいきます。
実際に子どものアトピーがとても増えていて、それが添加物の影響だと言われることもあります。
私の知り合いのお子さんには、特定の添加物が含まれている食べ物を食べると、肌に湿疹が出るという人がいます。
子どもに湿疹が出ているので食べた物の成分表示を確認すると、「やっぱり入っていた」ということがあるのだそうです。
また、キレる子どもが問題になることがありますが、栄養の偏りや、添加物の化学物質の過剰摂取に原因があるとも言われています。
避けられる不要な食品添加物は、できるならなるべく避けていきたいですよね。
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農薬について
「農家の人は、出荷用の野菜は食べない」という話を聞いたことはありますか?
出荷して販売するための野菜は、形や大きさ、見た目がきれいじゃないとなかなか売れませんよね。
だから、品質を揃えるために、また病害虫から守って収穫量を上げるためにも、農薬をたくさん使って栽培されることが多いです。
そのため、出荷用の野菜と、自分の家で食べるものを分けて栽培する農家さんもいる、ということなんです。
自分の家で食べる分は、無農薬や減農薬で作るということですね。
これは、そうしている農家さんがどうとかいう話ではなくて、買う側も見た目を重視して商品を選ぶ人が圧倒的に多いので、農家さんも必要で行っているんですよね。
日本は農薬の使用量が、とても多い国です。
農薬の使用量は、たくさんある世界の国々の中で、堂々の第3位です!
世界第3位の、この使用量の多さを、どう感じますか?
一般的にスーパーなどに売られている野菜は、無農薬野菜や有機農産物の表示がなければ、ほとんどが農薬を使って栽培された野菜です。
日本は雨が多い気候で、害虫や病気が広がりやすいということもありますが、ヨーロッパでは禁止されている、危険な農薬が使われていることもあります。
たくさんある農薬の中でも、特にその影響が問題視されているのが、ネオニコチノイド系農薬と言われるものです。
ネオニコチノイド系農薬は、世界中で問題になっているミツバチの大量死や減少の、直接的な原因にもなっていると考えられている農薬です。
そのため、ヨーロッパの国々では、使用を禁止する国もあります。
でも日本では効果的な殺虫剤として、家庭用の殺虫剤やシロアリの駆除、公園の松枯れの予防など、広く使われていて、ホームセンターなどで誰でも気軽に買うことができます。
この農薬の大きな特徴は、強い神経毒性、水にも溶ける浸透性、効果が長期間続く残留性の3つです。
水に溶けやすくて、殺虫成分が種子や根っこなどから吸い上げて、葉先まで、植物の内部隅々に行きわたる、浸透性を持ちます。
内部まで行き渡るので、野菜や果物を洗っても、取り除くことができません。
ネオニコチノイド系の農薬散布をすると、その地域で体調不良が急増したり、発達障害への影響も指摘されるようになってきました。
日本では当たり前に使われている農薬なので、なるべくなら安全性が確認できる安心な農産物を選びたいですね。
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畜産動物のホルモン剤について
畜産の動物には、多くの場合、肥育ホルモン剤や抗生物質、ワクチンなどが使われています。
肥育ホルモン剤は、畜産の動物に成長ホルモンを投与して、短い期間で大きく成長させるために使われています。
日本では今は肥育ホルモン剤は使われていませんが、アメリカやカナダ、オーストラリアなど、世界の主な畜産の輸出国で、その使用が認められています。
日本はそのような畜産物の輸入を制限してはいないので、肥育ホルモンを投与した肉が、どんどん輸入されて入ってきています。
ヨーロッパでは、肥育ホルモン剤の使用は禁止されていて、肥育ホルモン剤を使用した肉の輸入も禁止しています。
アメリカだけが、このホルモン剤の、残留基準値を設けていないので、アメリカ産の牛肉からは、驚くほど高い残留数値が出ると言われています。
世界では、この肥育ホルモンの使用を、危険なものだとしている国が多いので、輸入したいアメリカとの間で、大きな議論になっているんですよ
日本ではメディアの報道が、企業側に利益が出るようにコントロールされているので、このようなことはほとんど報道されませんよね。
スーパーに行くと、外国産の安い輸入肉がたくさん並んでいます。
食べ放題のお店などのお肉も、もしかしたら輸入肉かもしれませんね。
その影響としては、まだ小さい女の子が早すぎる初潮を迎えたり、男子の乳房が膨らんでくる、という例が報告されていて、肥育ホルモン剤の残留のためではないかと言われています。
日本では、乳がんや前立腺がんが増えています。
ホルモン依存性がんが増えているのも、肉類に残留する肥育ホルモンと関係があるのではないかと言われています。
また畜産は一般的に、狭いところにたくさんの畜産動物が入れられ、動物もストレスを抱えるような環境の中で、飼育されています。
密集した状況の、不衛生になりやすい環境の中で、動物の健康を保つために、抗生物質やワクチンが使われています。
畜産では、病気が一気に広がり、手遅れになってしまうこともあるので、予防としても使われています。
また、抗生物質を使い続けていると、細菌が変異を起こして薬に対する抵抗力が高くなり、薬が効かなくなってしまうという問題もあります。
家畜の体内に耐性菌ができると、食品や排泄物を通じて、人にも広がる恐れがあります。
薬が効かない菌が増えるのは、とても危険なことで、世界でも問題視されています。
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畜産のホルモン剤や飼料遺伝子組み換え、食べても大丈夫なの?
遺伝子組み換え食品と農薬グリホサート
遺伝子組換え食品は、他の生物から有用な性質を持つ遺伝子を取り出して、その性質を持たせたい植物などに組み込む技術を利用して作られた食品です。
遺伝子組換え技術では、自然では交配しない生物から遺伝子を持ってくることができます。
そのため、今までの品種改良では不可能と考えられていた特長を持つ農作物を、作ることができます。
例えば、害虫に強い作物は、殺虫剤をまかなくても害虫の被害を抑えることができ、収穫量を増やすことができます。
また、除草剤に耐性のある作物は、除草剤をかけても枯れないので、雑草だけを枯らすことができ、手間を省いたり、人件費の削減ができます。
遺伝子組み換え作物は、栽培にかかる農薬や殺虫剤、人件費などのコストや手間を減らすことができて、反対に収穫量は増やすことができるんですね。
日本で流通が認められている遺伝子組換え食品は、じゃがいも、大豆、てんさい、とうもろこし、なたね、わた、アルファルファ、パパイヤの8品目です。
でもこの遺伝子組み換え食品は、私たちの体や環境への影響はないのでしょうか?
遺伝子組み換えによって及ぼされる健康被害としては、内臓への悪影響、発がん性などがあります。
また、殺虫剤や除草剤に対する耐性を持った害虫や雑草が増加することで、より効果の強い薬を使用する必要が出てきたために、周辺の土壌や水域が汚染されているという問題があります。
除草剤などに使われる農薬「ラウンドアップ」の主な成分に、「グリホサート」というものがあります。
グリホサートに耐性を持つ遺伝子に換えられた遺伝子組み換え作物は、グリホサートを散布しても枯れずに、雑草だけを枯らすので、除草の手間がかからなくなります。
遺伝子組み換え作物と、この「グリホサート」を含む農薬「ラウンドアップ」は、セットになるもので、この20年の間に世界中で広がりました。
この除草剤への耐性を持つ、遺伝子組み換え作物の栽培拡大と共に、グリホサートの散布量も大幅に増えています。
危険な農薬のラウンドアップは、日本では一般の人たちが利用する、私たちの身近なお店でも、庭や畑にまく除草剤などとして普通に売られている農薬です。
遺伝子組み換え作物の栽培国の、北米や南米の国々では、水や人体からもグリホサートが検出されていて、健康被害についての影響も報告されています。
WHO(世界保健機関)の専門組織の、国際がん研究機関は、グリホサートを発がん性物質に分類していて、環境や健康への影響に対する危機感が、世界中で高まっています。
発がん性があるグリホサートは、妊娠や出産への影響、子どもへの神経障害なども報告されています。
健康被害が大きかったアメリカでは、グリホサートの影響で、アレルギーやADHD(注意欠陥多動性障害)、自閉症など、子どもの体に異変が起きていると感じていた母親たちが、「Moms Across America」を結成しました。
子どもたちの食事から遺伝子組み換え食品とグリホサートを除去するために、グリホサートではない代替品を勧め、消費者も有機食材を選ぶ運動などを展開しています。
私は「あいコープみやぎ」で行われた、ゼン・ハニーカットさんの講演会に参加したことがあります。
ゼンさんは先ほどお伝えした、アメリカの母親たちで結成した「Moms Across America」の中心となっている方で、3人のお子さんのお母さんです。
実際に我が子のアレルギーや、自閉症のような症状に直面されていて、ゼンさんのお子さんは、食事の時に、アレルギー症状によって死にかけたこともあります。
その原因と改善方法を追求していく中で、自分の子どもたちの症状の原因が、アメリカでとても多い、遺伝子組み換え(GMO)や、農薬の影響だということが分かりました。
実際に家庭の食事から、遺伝子組み換え食品を除いていったところ、お子さんの症状が4ヶ月で大きく改善されました。
子どもに有機食品だけを食べさせるようになったら、年間の医療費が10分の1以下に減った、という報告もあります。
産科医の国際組織の国際産婦人科連合(FIGO)も、「グリホサートはガンや神経発達障害、先天性欠損症との関連が疑われる。」として、グリホサートの使用禁止を勧告しています。
世界各国が、グリホサートの削減や禁止の方向へ動いている中で、日本はその残留基準値を緩和して、その使用量も増加しています。
「農民連食品分析センター」が、国内で販売されている小麦粉やパン、パスタなど小麦製品の農薬残留検査を行いました。
その結果、ほとんどの製品から、農薬の成分のグリホサートが検出されています。
国産の小麦からは検出されていないことから、外国産の輸入小麦に原因があると思われます。
日本の小麦の自給率は低く約14%ほどで、その多くをアメリカ、カナダ、フランス、オーストラリアなどの外国からの輸入小麦に頼っています。
特にアメリカ産小麦とカナダ産小麦は、グリホサートの検出率が非常に高い状態です。
そのため、輸入小麦を使っているかぎり、どのメーカーの小麦からも検出される可能性があります。
大手メーカーのパンやインスタントラーメンなどは、ほとんどが輸入小麦で作られています。
また、日本の学校給食のパンを調べると、調べた全てのパンからグリホサートの農薬が検出されたそうです。
その上、日本の畜産の動物の餌になる飼料は、多くの場合が、輸入穀物の遺伝子組み換えや農薬が使われた飼料です。
畜産は、どのような飼料を与えられているかによっても、その安全性が違ってきます。
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グリホサート農薬が輸入小麦から検出される?パンもパスタも?
まとめ
日本人の食にひそむ危険性について、食品添加物・農薬・畜産のホルモン剤・遺伝子組み換え食品の主に4つの視点からお伝えしました。
私たちは、安さや手軽さ、育てやすさ、手間やコストの削減など、その恩恵もたくさん受けてきました。
でもそれによって、大切な自然環境や、私たちの健康も大きな影響を受けています。
まずは自分にとって、必要な情報を得て、体への影響が大きいと思われるものは、なるべく避けるようにしていきたいですね。
例えば「食品添加物が入っているものは全部ダメ!」としてしまうと、今の日本の食事情の中では、かなり大変ですし、大きなストレスになりますよね。
簡単に取り組みやすく効果が高いものとしては、家庭に常備している毎日使う調味料を、まずは無添加なものに変えてみる、ということもできます。
外国産の小麦製品を避けたり、外国産の肉類はなるべく買わないように気を付けることもできますね。
どこまでをOKにして、どこからはダメにするかは、個人や家庭ごとの価値観や考え方によって違って良いと思います。
できるところから少しずつ、家族の健康のためにも、自分が思う理想的な食生活へ近づけていきたいですね。
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