発達段階の違いとその時期に好む適した遊び、心がけたいポイント

型はめ玩具 遊び

遊びは子供の成長や発達、学びにとって、とても大切なものです。

大人にとっての遊びは、余暇や楽しみ事という意味合いが強いと思いますが、子供にとってはまさに遊ぶことが仕事で、発達においてはとても大切な意味を持ちます。

様々な遊びを通して、子どもは成長していきます。

発達に合わせて、その時期に喜んでする遊びや、必要な遊び、必要な体験があります。

親はそれぞれの年齢で、どんな遊びの環境をつくってあげたらいいのでしょう。

子供の発達に合わせた遊びについて、お伝えしたいと思います。

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発達には個人差がある

母と赤ちゃん

最初におさえておきたいのは、発達には個人差があるということです。

私たちはママになると、つい他の子と比べて「うちの子はこんなに小さい」「うちの子は、まだこれができない」と思ってしまうものですよね。

でも、同じ学年の子供でも、生まれた月(月齢)によって、発達は1人1人全く違います。

4月生まれと3月生まれでは、同じ学年でも、ほぼ1年の差がありますからね。

年齢が小さいほど、この月齢の差は大きく表れますが、年齢が上がるにつれて、少しずつ差はなくなっていきます。

例えば私には、3月生まれの保育士をしている友達がいます。

その友達は小さい頃「なんでみんなは上手にできるのに、私はできないんだろう」いつもそう思っていたそうです。

その友達の場合、自分と周りとの差は、小学校2年生くらいになると、少しずつ気にならなくなっていったそうです。

いずれ差は小さくなっていって、気にならなくなっていくので、今の様子だけを見て、心配しすぎる必要はないんですよね。

また、家庭環境や親の関わり方、兄弟がいるかどうかなどによっても違います。

3兄弟

一般的には、兄や姉がいる下の子の方が、身近にいる上の子を手本にして、真似してどんどん覚えていくので、経験値が高く発達が早い場合が多いです。

子供の発達は、個人差が大きいので「この年齢では、大体このような様子が見られ始める」というように、おおまかに捉えてみてくださいね。

兄弟や、他の家庭のお子さんと比べるのではなくて、お子さん自身がより良く健やかに発達していけるように、遊びの環境を整えて働きかけをしていきましょう。

発達を見るときのポイント

子供の発達を考えるときには、背が伸びて体重が増えたという体の成長だけではなくて、次のようないろいろなポイントから見てみましょう。

・全身の体の動き、運動面

・手先、指先の細やかな動き

・言葉

・人間関係、周りの大人や友達との関わり

・生活習慣、健康面

・表現(言葉で表して伝える、絵で描く、作る、歌う、踊る、演じるなど)

・環境(自然の豊かさや社会の事象に対しての興味関心、工夫して遊ぶこと、数や図形、いろいろな文化に気付くこと)

このようないろいろな面が、バランス良く伸びていくように、遊びの環境を整えて、働きかけをしていきたいですね。

年齢や月齢ごとの発達や遊びの様子

赤ちゃん

次に、年齢や月齢ごとに、発達がどのように進んでいくのか、その時期にはどんな遊びを喜び、どんな遊びを与えたらいいのかについて、お伝えしたいと思います。

発達に関しては個人差があるので、こだわりすぎず、あくまでも「この年齢では、こんな様子が見られ始めることが多い」と、目安として捉えてみてくださいね。

生後から6ヶ月

ベビーヨガ

首がすわってきて、腹ばいや寝返りも始まっていきます。

この時期は見る、音を聞く、触るなどの感覚遊びの時期です。

ガラガラを振って音を聞かせたり、安全で柔らかい握れるおもちゃを触らせたりします。

仰向けで寝ている状態で、赤ちゃんにおもちゃを持たせるときには、まだ自分の顔に落とすことがあるので、おもちゃは当たっても危なくない、柔らかい物が良いです。

体を触れ合うスキンシップ遊びも、たくさんしてあげましょう。

体をさすったりなでたり、優しく足を動かしてあげたりします。

指でつんつんしたり、くすぐったり、抱っこで優しくゆらゆら揺らしてあげるのもいいですね。

強く揺らすのは危険なので、優しくゆっくりです。

目と目を合わせて話しかけたり、赤ちゃんが出した声を同じトーンで真似して返してあげることも、会話のコミュニケーションの始まりなんですよ。

「自分が出した声に気付いて、ママが返してくれた!」と赤ちゃんは感じています。

オムツ替えや授乳の時にも、コミュニケーションやスキンシップ遊びは取り入れられるので、ぜひやってみてくださいね!

6ヶ月から12ヶ月

ハイハイする赤ちゃん

お座りやハイハイ、つかまり立ちや伝い歩きと、動きの成長の変化が大きい時期です。

離乳食も始まりますね。

この時期は、ずりばいやハイハイ、伝い歩きなどで盛んにお部屋の中を動き回るようになります。

安全なお部屋の環境を整えて、自由に探索活動ができるようにしてあげましょう。

この探索活動自体が、大切な遊びです。

その他に、両手に持ったおもちゃを、自分で叩き合わせたりもできるようになります。

いないいないばあや、口を開けたり舌を出したり、口で「ぶー」と音を出したり、大人の表情の真似っこ遊びもできるようになります。

たかいたかいや、鏡を見て「だれかな?」と鏡遊びもできますよ。

ボールをゆっくりと追いかけたり、「まてまてー」と追いかけ遊びも喜びます。

「はい、どーぞ」とおもちゃを渡したり、大人とやりとり遊びもできます。

くすぐり遊びなどスキンシップ遊びは、引き続き喜ぶのでやってみてくださいね。

1歳

赤ちゃんの食事

歩行が安定してきて、スプーンで自分で食事をしたり「ワンワン いた」などの二語文が出てくる頃です。

全身を使った運動遊びや、段差にのぼったり簡単なアスレチック遊びもできるようになります。

お布団でゴロゴロ転がり遊びや、鈴など簡単な楽器遊びもできるようになります。

ボール遊び、砂遊び、三輪車、鉄棒にぶら下がったり、シャボン玉を追いかけたり、いろいろな遊びができます。

手の指先を使った遊びも好きなので、つまんだり、入れたり、引っ張ったりといった動きもできるようになります。

新聞紙をビリビリ破いたりする遊びも好きです。

スキンシップ遊びは大きくなってからも、引き続き大切にしていきましょう。

2歳

お絵描きする子供

走る、ジャンプするなど、基本的な運動機能が整ってくる時期です。

トイレトレーニングで排泄が少しずつ自立してきて、服を自分で着脱もできるようになってきます。

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言葉が急に増えて、自己主張も強くなってくる時期です。

この時期は、粘土やお絵描き、ブランコ遊びなど、遊びの幅が広がります。

音楽に合わせて歌ったり踊ったり、音楽遊びも好きです。

少しずつ、おままごとなどのごっこ遊びも見られるようになってきます。

おままごとなどのごっこ遊びは、発達にとても良い影響を与えると言われています。

プリンやヨーグルトのカップ、公園で拾ってきた葉っぱなどでも十分なので、ごっこ遊びができるように環境を作ってあげたいですね。

3歳

木を見上げる子どもたち

3歳になると、食事や排泄、着替えなどが大体1人でできるようになってきます。

知的好奇心が高まって「なんで?」「どうして?」と質問も多くなってきます。

友達と一緒に同じ遊びをしたり、順番を守ろうとする姿も見られます。

数や色、形などにも興味があって、簡単なルールのある遊びもできます。

かくれんぼや追いかけっこ、いろいろな遊具などで遊ぶようになります。

おままごとやお姫様ごっこ、ヒーローごっこなどのごっこ遊びを、お友達と喜んで楽しむ時期です。

できることが増えて、お掃除やお料理など、お手伝いも喜んでやりたがるので、できることはどんどん体験させてあげたいですね。

4歳

公園の遊具に登る子ども

体を自分の思うように動かせるようになってきて、いろいろな遊具にも挑戦して、全身遊びを楽しみます。

縄跳びや鉄棒など、いろいろなことに挑戦します。

友達とイメージを共有して遊ぶごっこ遊びや、友達と関わる遊び、ルールのある遊びも好みます。

工作も喜び、いろいろな道具や材料を使って遊びます。

家庭でも空き箱などの廃材を使えばいろいろな物が作れるので、はさみやセロハンテープ、ペンなどを用意してあげると、創造性も伸ばしていくことができますよ。

5歳

公園で水を飲む子供

友達と同じ目的や、目標に向かって行動できるようになってきます。

それまでとは違って、おもちゃで単調に遊ぶよりも、自由に作れる工作やゲーム性のあるものを喜びます。

いろいろなことをどんどん吸収していくので、ちょっと難しいルールのある遊びを覚えて、夢中になったりもします。

生き物が好きな子なら図鑑を用意するなど、知的好奇心を満たせるような、遊びの環境を作ってあげたいですね。

友達と協力して楽しむ遊びや、集団で楽しめる遊びもとても好みます。

6歳

お絵描きする子どもたち

全身運動が、よりなめらかにできるようになります。

様々な遊具や道具を使ったり、複雑な動きのある遊びを好みます。

手の指先の動きが細やかになって、ひらがなや数字を書ける子も増えてきます。

トランプやかるたなど指先、文字、数を使う遊びや、ドッジボールなど集団でする遊びを喜びます。

友達とルールを決めたり、自分たちでけんかや問題を解決できるようになってきます。

小学校の入学前なので、少しずつ望ましい生活習慣を整えたり、入学に向けての意識付けをしていきながら、入学を楽しみにして期待感を持てるように働きかけたい時期です。

全年齢を通して心がけたいポイント

年齢別に発達の様子や、その年齢で好きな遊びや与えたい遊びについてお伝えしました。

この他に、どの年齢でも心がけていきたいことがいくつかあります。

ぜひ参考にして、意識して毎日の子育てに取り入れてみてくださいね!

自然に触れる・体を動かして遊ぶ

カブトムシ

1つ目は自然に触れること、体を動かして遊ぶことです。

私たちの生活は、だんだん自然から遠ざかり、体を動かさない生活になってきています。

子どもの体力低下も、問題視されています。

小さい頃から自然に親しむことは、生き物の命を大切にしたり、自然や地球環境を大切にしたいという気持ちを育みます。

子供が自然から学ぶことは、とてもたくさんあります。

子供時代は、できる限り自然のあるところで、体を動かして遊べる機会を多く作ってあげたいですね。

自然に触れたり、体を動かして運動することは、脳の発達や心身の健やかな発達を促します。

絵本など様々な本に親しむ

絵本を見る親子

絵本や図鑑など、様々な本に親しむことも大切なことです。

絵本でいろいろなお話の世界を疑似体験したり、たくさんの言葉に触れることで語彙量も増え、理解力も高まります。

興味のある分野の図鑑なども、子供は喜びます。

ある調査によると、家にある本の冊数と、その家で育った子の大人になってからの収入は比例しているというデータがあるそうです。

本がたくさんある環境で育った子は、大人になってからの収入も高いのだそうです。

それだけ、本に親しむということは、その子の人生にもいろんな面で影響していくんですよね。

ぜひ本の好きな子に、育ててあげてくださいね!

なんでも積極的に体験させる

ノコギリで板を切る兄弟

そして最後は、なんでも積極的に体験させることです。

危ないからといって危険から遠ざけ、体験させないよりも、少しくらいケガをしてもいいから、親がフォローしたり援助をしながら、なんでもやらせてみる。

そんな気持ちで子育てをした方が、子供はたくましく自分で考えて行動できる子に育ちます。

子供もスリルのある遊びの方が面白かったりしますし、ケガや失敗から自分の身を守るということも学んでいきます。

子供時代の体験は、その後の人生の宝物になる、貴重な体験になっていきます。

どの体験が、いつどのような形で、子どもの人生で生かされていくかは分かりません。

できるだけ多くのことを、積極的に体験させてみてくださいね。

特に子ども自身が興味関心を示したものは、思う存分体験できるように、できる限り環境を整えたり、応援していきたいですね。

まとめ

発達段階別の遊びについてお伝えしました。

子どもは様々な遊びを通して成長していきます。

お子さんの興味や関心に合わせて、子供の笑顔が輝きワクワクするような遊びの環境を、ぜひ整えてあげてくださいね!

そして1人でじっと静かに遊んでいるような時は、集中力を養っている時なので、じゃまをせずにそっと見守ってあげることも大切です。

小さい頃の遊びが、その子の未来をつくっていきます!

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れっきー

子育てライフアドバイザーとして個別相談や情報発信を行ったり、宮城県で子育てサロン「ピヨピヨサロン」を運営しています。

保育士として、19年の公立保育所の勤務経験があります。

自分の子育てには、保育士経験だけでなく、心理学やスピリチュアルの学びも取り入れています。

わがやの子育てについての考え方や実践を、ぜひ参考にしてみてくださいね☆

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