前回の記事では、テレビやスマホ、ゲームなどの子どもへの影響についてお伝えしました。
メディアコントロールの必要性について、知っていただけたでしょうか?
さらには、テクノロジーの最先端をいく先駆者たちほど、その危険性も熟知していて、自分や子どもの使用に制限をかけているという事実を、私たち親も知っておかなくてはなりません。
スティーブ・ジョブズをはじめ、テクノロジーに精通している人たちは何を考え、どのように自分の子どもたちに使わせているのでしょうか?
先駆者たちはその弊害に気付いている
私たちはスマホやiPod、インターネットなどのテクノロジーを、毎日当たり前のように使っていますね。
もはや生活にはなくてはならない、必需品になりました。
子育てにも毎日利用しているという人も、今は多いのかもしれません。
電車に乗った時や何かの待ち時間に、YouTubeなどを見せていれば、子どもは静かにしていてくれますし、便利な部分もありますよね。
脳や体、心の発達の途中にいる子どもたちにとっては、大人以上にあまりにも影響が大きいということは、前回の記事でもお伝えしました。
そのような情報は、あまり知られていないために、便利な物として手軽に子育てに使っている人が多いかもしれません。
でも実は、そのような製品を開発した、テクノロジーに精通している人たちは、その弊害をしっかりと認識しています。
それが当たり前に知られてしまうと、もちろん製品が売れなくなってしまうので、そのような情報はあまりオープンにはされません。
私たちは大切な子どもたちを守るために、その事実もしっかり知っておく必要があります。
アップル社のスティーブ・ジョブズ
アップル社の創業者スティーブ・ジョブズは、世界的に有名な人物ですよね。
スマートフォンのiPhoneは、多くの人がその便利さの恩恵を受けています。
2010年にジョブズは、サンフランシスコで開かれた製品発表会で、世界で初めて大型化したタブレット「iPad」を紹介しました。
販売されている多くのノートパソコンよりも処理速度が速く、高い処理能力を持たせた画期的なもので、iPadに最大級の賛辞を浴びせています。
でも、実はあまりに依存性が高いために、自分の子供の使用には制限を設けて、使用には慎重になっているという事実を、もちろん言ってはいません。
ニューヨーク・タイムズ紙の記者が、あるインタビューでジョブズにこう質問しています。
「自宅の壁は、スクリーンやiPadで埋め尽くされているのですか?客人には、いつもiPadを配るのですか?」と。
それに対してジョブズは「iPadはそばに置くことすらしないし、スクリーンタイムを厳しく制限している」と話しています。
ジョブズの子供は10代になっても、iPadを使ってよい時間を、厳しく制限されていました。
10年の間に、ジョブズはいくつもの製品を販売してきました。
でもテクノロジーの開発だけではなくて、それが私たちにどんな影響を与えるのかを、実はしっかりと認識していたんですよね。
ビル・ゲイツも14歳まで持たせない
絶対的な影響力を持つIT企業のトップたちの中で、スティーブ・ジョブズだけが使用を制限している、極端な例だったわけではありません。
Windowsシリーズを開発しているソフトウェアメーカー、 Microsoftの共同創業者のビル・ゲイツは、子供が14歳になるまでスマホは持たせなかったと話しています。
世界を見るとスウェーデンでは使用率が高く、2~3歳の子供のうち、3人に1人が毎日タブレットを使っているといいます。
また、スウェーデンの11歳児の98%が、自分用のスマホを持っています。
ビル・ゲイツの子供たちは、Microsoftの共同創業者の父をもちながらも、スマホを持たない2%に属していたんですね。
テクノロジーに精通している人ほど、その魅力が度を過ぎていることを認識していて、自分の子どもたちにはその使用を制限しています。
Facebookの「いいね」機能開発者
アメリカ人のジャスティン・ローゼンスタインという男性は、Facebookの「いいね」の機能を開発した人物です。
その人は、依存性ではヘロインに匹敵すると言って、開発したにも関わらず、自分のFacebookの利用時間を制限しています。
スナップチャットというSNSアプリは、すっかりやめています。
本来は保護者が子どもの使用を制限するために使うアプリも、自分でスマホの使用に制限をかけるために、インストールしています。
スマホやiPadの登場は、便利な一方で、私たちの生活をいつの間にか蝕んでいきます。
それは子供たちも同じで、大人以上にかなり影響が大きいものです。
あるインタビューでは、このローゼンスタインは、このように発言しています。
「製品を開発するときに、最善を尽くすのは当然のことです。でもそれが、実は思ってもみないような悪影響を与えます。それに気づいたのは後になってからのことです。」
アップル社の幹部トニー・ファデル
スマホやiPodは、大人だけではなく、子供たちも夢中にさせすぎてしまいます。
iPodやiPhoneの開発に携わったアップル社の幹部のトニー・ファデルも、このようなスクリーンが子供たちを夢中にさせる点について、同じ意見を持っています。
「冷や汗をびっしょりかいて目を覚ますんだ。僕たちはいったい何を創ってしまったんだろうって。うちの子供たちは、僕がスクリーンを取り上げようとすると、まるで自分の一部を奪われるような顔をする。そして感情的になる。それも、激しく。そのあと数日間、放心したような状態なんだ」
iPodやiPhoneは、大切な子どもたちの何を奪ってしまっているのでしょう?
まとめ
IT企業のトップは、自分たちが開発した製品に、実はかなりの複雑な感情を抱いています。
便利さの裏には、電磁波による様々な健康被害や、依存性によって多くの時間を消耗し、人生の大切な時間や体験を毎日失い続けているという事実を、知る必要があります。
経済活動が優先されて、製品を売るためには、人々の健康被害や心身への悪影響については隠されるのが当たり前の社会です。
その中で利用する側も賢く、自分や大切な家族を守るために、必要な情報を得ていくことが大切ですね。
開発したテクノロジーの最先端をいく人たちは、精通している人ほど、自分の子どもに対しては、スマホやiPadの使用を厳しく制限しています。
あなたやあなたの家族は、どのようにこの現代テクノロジーと付き合っていきますか?
<関連記事>
テレビ・スマホ・ゲーム…電子メディアの子供への影響と付き合い方
コメント