お子さんに家のお手伝いをさせていますか?
「子どもにお手伝いをさせると、かえって時間がかかるし、後片付けが大変になる!」そう思う人も多いかもしれませんね。
そもそもお手伝いって、何歳くらいからさせたらいいのでしょう?
小さい子どもには、具体的にどんなお手伝いができるのでしょうか?
お手伝いをさせるメリットや、注意点、子どもができる具体的なお手伝いの内容についてお伝えしていきたいと思います!
お手伝いをさせるメリットとは
「子どもにお手伝いをさせると、家事も思うように進まないしイライラしちゃう」そんな人も多いですよね。
私も共働きで忙しい毎日の時には、子どもにお手伝いをさせようという時間も、気持ちの余裕もありませんでした。
共働きの人は平日は特に、一日中、時間との戦いですよね。
でも、子どもにお手伝いをさせることには、たくさんのメリットがあります。
休日など自分に余裕がある時だけでもいいので、ぜひ子どもには家のお手伝いをさせたいですね。
では、お手伝いにはどんなメリットがあるのでしょうか?
1つ1つお伝えしていきます!
自信がつき自己肯定感が高まる
家の中で、いつもお母さんやお父さんがやっていることを、自分もすることができる体験というのは、子どもにとってはとても嬉しいことです。
「できた!」という嬉しさや「自分の力でできた!」という達成感を味わうことができます。
「これ面白い!」と、さらに意欲や興味を持つかもしれません。
また「ありがとう、助かったよ!」と家族から感謝されるということは、とても嬉しいことですよね。
お手伝いは「自分が人の役に立てた」と子どもが感じられる、とても簡単で良い方法です。
また、家の中で自分にもできることが増えていくことは、自信にもつながって、「僕はできるんだ!」と自己肯定感を高めていくことができます。
手指の発達や脳の活性化を促す
お手伝いの様々な作業を通して、手指の発達が促されます。
好きな作業に夢中になっていれば、手先もどんどん器用になっていきますね。
手指を使うことは脳の活性化にもつながります。
やったことのない作業は特に、新鮮で刺激的で面白いですよね。
いろんな材料に触れたり、道具を使ったり、正しい使い方を覚えたり、初めてのお手伝いをどんどんさせることで、脳も活発に働くことになります。
自分で考えて工夫するようになる
お手伝いをすることで、どうやったらもっと上手にできるか、大きい子ならどうしたらもっと効率良くできるかなど、自分で考えて工夫するようになります。
大人がしている様子を真似してみたり、自分なりのアイディアで行うようになって、繰り返し行うたびにどんどん上手になっていきます。
お手伝いの内容によっては、初めての時にはうまくできなかったり、失敗してしまうようなこともあるかもしれません。
でも、そこでやめてしまったらもったいない!
うまくできなかったからこそ、次は上手にできるように、子どもは自分の頭で考えて工夫するようになります。
子どもが興味を持ったお手伝いは、ぜひ繰り返しさせてみてくださいね。
家事スキルを身につけられ自立につながる
日常的なお手伝いは、基本的に毎日の生活に密着した内容になってきますよね。
掃除、洗濯、料理など、最初は家の人と一緒にやり方を覚えながら、少しずつ自分1人でもできるようになることで、家事スキルを身につけることができます。
子どものうちは、上手にできなかったり不十分なことも多いかもしれません。
でも、経験してやり方を知っていることと、全くやったことがないことでは大きな差です。
子どもが将来、自立して自分の力で生活していくときの、大きな力にもなっていきますね。
責任感が生まれる
子どもが成長してくると、自分が任されたことや、日々担当している役割をしっかりと果たそうという責任感も生まれてきます。
自分の役割は、最後まできちんとするという気持ちが育ちます。
例えば、大きくなってきたら、毎日ポストの中をチェックして郵便物を持ってくるのは子どもの担当にするなど、毎日行う役割を何か1つ与えてみても良いですね。
お子さんと相談して、負担なく楽しんで取り組めるようなら、何か役割を任せてやってみるのも良いでしょう。
よく気がつき行動できる
お手伝いをよくしていると、いろんなことによく気がついて、進んで行動できるようになります。
例えば、私が保育所で働いている時にも、お手伝いがとっても上手なお子さんが、クラスに何人かはいました。
そういうお子さんは、保育士の様子もよく見ています。
何かあるとよく気がついて「運ぶのお手伝いするね。」「これ洗ってもいい?」「雑巾がけするね!」と進んでお手伝いしてくれます。
そのようなお子さんは、「自分はなんでもできる」という自信もあって自己肯定感が高く、周りをよく見て自分で考える習慣が身についているのでしょうね。
お手伝いをすると人に喜んでもらえるという体験も多いのだと思いますが、全く負担に思わず、楽しんで張り切ってお手伝いをしてくれます。
家族のコミュニケーションにつながる
お手伝いを通じて一緒に作業をすることで、家族のコミュニケーションにもつながります。
テレビやスマホばかり見ているのではなくて、子どもが小さい時期は特に、家族の対話の時間を大切にしていきたいですね。
子どもにお手伝いの仕方を教えたり、一緒に行うことで子どもと過ごす時間が充実してきます。
お手伝いを通じて一緒に作業をしたりコミュニケーションをとることは、子どもの心を満たすことにもつながります。
お手伝いをしながら、子どもから学校での出来事や抱えていた悩みなど、いろんな話がゆっくりと聞けるかもしれませんね。
日頃から親子のコミュニケーションが取れていると、子どもが何か困った状況にあるようなときにも、素直にお父さんやお母さんに相談したり、助けてサインを出せる関係性ができていきます。
お手伝いは何歳からさせる?
ここまでお手伝いをすることでのメリットについてお伝えしてきました。
このようにたくさんのメリットがあるお手伝いですが、何歳くらいからさせると良いのでしょうか?
お手伝いは、意思の疎通が取れるようになった1~2歳の小さい年齢でも、十分にいろんなことができるんですよ。
例えば保育所のお子さんだと、1歳児クラスでは子どもが自分のロッカーから自分でオムツを取ってくるお手伝いもできます。
箱におもちゃを入れるお片付けもできます。
ただ、お子さんによっては、自分のロッカーとお友達のロッカーが区別できずに、間違えてお友達のオムツを取ってくることもありますし、おもちゃを入れる箱を別の箱に間違えて入れることもあります。
お手伝いの内容によっては、間違えたり不十分な面があっても大丈夫です。
また、1歳児でもよく気がつくお子さんはやっぱりいて、保育士の真似をしてタオルでテーブルを拭いていたり、皿を自分で片付けようとしたり、置いてあったモップで床掃除の真似をしていたり。
自分もまだ小さいのに、さらに小さい0歳のお友達のお世話もしようとします。
1歳でまだ小さいけど、いろんなことをよく見ていて、真似をするんですよ。
意思の疎通ができて、こちらの話を理解して行動できるようになったら、簡単にできるお手伝いから、ぜひ一緒にやってみてくださいね!
2歳くらいになると、イヤイヤ期と呼ばれる時期に入って、自己主張も強くなって、お手伝いをさせるのもなかなか大変になってくるかもしれません。
ママに余裕のあるできる時に、簡単にできるものだと負担なく取り組めますね。
そして、いろんなお手伝いができるようになってきたら、子どもの年齢や興味に合わせて少しずつ内容をレベルアップしていきましょう。
大きくなったのに、いつまでも簡単なお手伝いばかりでは、子どももつまらないしやる気が起きないですよね。
少し難しいものや、いつもとは違うもの、道具を使うようなお手伝いも、休日など余裕のあるときには取り入れてみましょう。
道具を使うような作業も大人が一緒に行ったり、そばで見守ったり援助することで、子どもでもできることがたくさんあります。
ぜひお手伝いを通して、小さいうちからいろんな経験をさせてあげましょう。
具体的にどんなお手伝いができるの?
では具体的に、どんなお手伝いができるのでしょうか?
年齢ごとに例をいくつかあげてみました。
お子さんの興味や発達段階によって個人差があるので、あくまでも年齢は参考程度にして読んでみてください。
お手伝いの例
【1歳】
おもちゃの片づけ、ゴミをゴミ箱に捨てる、オムツを取って来る、開いていたドアを閉める
【2歳】
スプーンや箸を並べる、食後の食器を運ぶ(落としても割れない食器)、野菜を洗う、洗濯物をはずしてとる、タオルやハンカチをたたむ、カーペットをコロコロで掃除する
【3歳】
お米をとぐ、簡単な料理、買い出しに一緒に行き「〇〇2個とって」と取ってもらう、食事の前後にテーブルを拭く、タオルやハンカチ靴下など簡単な洗濯干し、洗濯物をたたむ、洗濯物を引き出しにしまう、玄関の掃き掃除
【4歳】
簡単な料理、食器洗い、玄関の靴揃え、クイックルワイパーや雑巾がけの床掃除、生き物の世話、植物の世話、布団を敷きや布団をたたむ
【5歳】
ご飯をよそう、包丁を使った料理、風呂掃除、床拭き、窓拭き、掃除機がけ
【6歳】
郵便ポストのチェックを任せる、火を使う料理、料理の一品を任せる、ゴミ捨て、おつかい、シャンプーや洗剤の詰め替え
3歳を過ぎてくると、簡単な作業は結構いろんなことができるようになりますね。
さらに大きくなると、もう少しレベルアップした内容もできるようになりますし、より上手にお手伝いができるようになります。
お手伝いをさせるときの注意点
最低限おさえておきたいのは、お手伝いは=罰ではないということです。
よくドラえもんのマンガを見ていたりすると、のび太のお母さんが「罰として庭の草むしりを全部やっておきなさーい!」とか言うのを聞いたことはありませんか?
あれが理想的なお手伝いではないということです。
罰としてやったお手伝いは、子どもや嫌な気持ちでやっていますし、それをやって誉められるということもありません。
お手伝いに対してのやる気も、なくなってしまいますね。
お手伝いは楽しいもので、人に喜んでもらえる体験ができるものです。
罰のような形で子どもに与えたり、子どもがやりたくない時や、興味のないやりたくないことを押しつけるような方法は、できれば避けたいですね。
他にも家庭の中でお手伝いがうまくいき習慣化させていくために、心がけたいことがいくつかあります。
お手伝いで心がけたいこと
お手伝いで心がけたいことに、次のようなことがあります。
- できたら誉める
- むやみに口出しせずじっくり待って見守る
- 失敗しても怒らない
- 完璧を求めない
- 強制しない
- 兄弟で比べない
- 親が時間的、精神的に余裕がある時にする
- 年齢に合っていて子どもが無理なくできる内容にする
- できたものに注目して「ありがとう!」と伝える
子どももやりたいことがあるのに、いつもいやなタイミングで頼まれると、お手伝い自体がいやなものに感じてしまいますよね。
子どもをお手伝いに誘うタイミングも大切ですね。
どんなお手伝いをどれくらいの頻度でするかは、子どもが大きくなってきたら、お子さんと話し合って決めるのも良いでしょう。
ママが子どもに頼めるお手伝いの「お手伝いリスト」を作って、選択肢の中からどのお手伝いがいいか選ばせるという方法もありますね。
小さいうちは、もし子どもが喜ぶようなら、ごほうびシールを用意して、目に見える形にしても楽しいですね。
子どもも親もストレスを感じずにできる、楽しいお手伝いを目指していきましょう!
子どもに身につけさせたい「はひふへほ」
私は「森のようちえん虹の森」の、くりこま高原自然学校で開催される「森のようちえん・しょうがっこう親子キャンプ」に何度も家族で参加したことがあります。
くりこま高原自然学校の方から聞いた、子どもに身につけさせたい、大切にしている「はひふへほ」のお話が印象的でした。
くりこま高原自然学校では、「はひふへほ」の5つのことを、子どもたちが十分に体験できるように大切にしているそうです。
私が聞いた記憶から、ご説明してみますね。
は…刃物
包丁やナイフ、ノコギリなどを、安全に使えるようになること。
ひ…火
料理やたき火などで火に触れ、安全に使えるようになること。
ふ…歩く(将棋の「歩」ふ)
自然の中を自分の足でたくさん歩けること。
へ…平和
周りの人や環境と調和して平和に暮らせること。
ほ…穂(稲穂のほ、食育)
食事を自分で作ったり、感謝しておいしく食べられること。
親子キャンプでこのお話を聞いたときに、人が生きる上での基本はこれなんだろうなぁと思いました。
これらを学ぶことが本当の教育なのかって。
だから家庭の中でのお手伝いも、私はこれを少し意識して取り入れています。
危ないからと言って刃物をずっと与えなかったら、子どもはその安全な使い方を身につけることはできませんよね。
今はキッチンもIHクッキングヒーターの家庭が多くなって、本物の火を見たことがないというお子さんも昔より増えているそうです。
火の安全な使い方を知ること、実際に自分で料理をしてみること、自然の中でたくさん歩いたり体を動かして体力をつけること。
どれも家庭の中でも意識していきたいところですね。
お手伝いもその視点で、お料理や刃物などいろんな道具を使う作業も、大人と一緒にぜひ体験させてみてくださいね!
五感がフル回転の料理のお手伝い
特に料理のお手伝いは、五感をフルに使うので、子どもにとってとても良いお手伝いだと言われています。
五感とは視覚・触覚・聴覚・嗅覚・味覚の5つです。
料理のお手伝いは、これらの五感をフルに使う作業なので、子どもの脳の発達にも良いと言われています。
視覚…様々な色や形の食材を見たり、調理で変化していく様子を見る。
触覚…様々な食材や調理器具に触れたり、火の熱さを感じる。
聴覚…食材を切る音や、焼いたり煮るなど調理している音を聞く。
嗅覚…食材の香りや、調理をしている時のにおいを感じる。
味覚…食材や出来上がった料理の味を味わう。
他のお手伝いとは違って、全ての五感を使うことができるのが料理のお手伝いなんですね。
私も自分の子育ての中で、料理のお手伝いをできる状況の時には積極的にさせていました。
上の子が2歳の頃には、子供用の手が切れにくい包丁を使って、バナナを切らせたりしていました。
お豆腐など固くない切りやすい食材なら、見守ったり手を添えながら十分切ることができますよ。
下の子は料理が好きみたいで、よく自分で簡単な料理を工夫して作っています。
卵焼きやホットケーキも、前はうまくできずに泣いていることもありましたが、本人があきらめず何度も挑戦することで、小学校低学年でも1人で作れるようになりました。
うまくできないからといってやめてしまうのではなく「どうすれば上手にできるんだろう?」と工夫したり試行錯誤することで、だんだんできるようになるんですよね。
もちろん、無理強いするのは良くないので、うちの下の子はたまたま料理が好きで合っていたみたいです。
この調子で料理男子に育ってくれたら、母も助かります!
私が勤めていた保育所でも、子どもたちが郷土料理を作る食育の行事がありました。
年齢ごとに作業の内容が違っていて、3歳児の小さい子どもたちは白菜やこんにゃくをちぎったり、簡単な作業です。
4歳では、ゆでた人参を型抜きでいろんな形を作ったりしていました。
年長さんになると、保育士や栄養士と一緒に包丁にチャレンジしたり、熱いお鍋に食材を入れたり高度な作業になります。
それを小さい子どもたちは憧れのまなざしで見学していました。
料理は年齢に合わせて作業の内容を選べるので、小さい子でもできることから少しずつ経験させていきたいですね。
最初はママの横で、お料理する様子を見ているだけでも、それだけで十分に刺激的かもしれませんよ。
ぜひ毎日のお手伝いに、お料理も取り入れてみてくださいね!
まとめ
お手伝いは子どもにとって、たくさんのメリットがあります。
勉強や習い事だけではなく、毎日の生活に密接に関わる、お手伝いの体験も大切です。
最初はママがつきっきりになるし、大変なことが多いかもしれませんが、大きくなってくるとだんだん上手に効率良くできるようになってきて、きっとママも助かりますよ。
「お手伝いしなさい!」ではなく「お手伝いしてくれて嬉しかったよ。助かったよ、ありがとう!またお願いね!」の良い循環を作れるといいですね。
一人でできたことの達成感を感じられて、人の役に立てたことを実感できる、子どもも親もストレスフリーなお手伝いをぜひ目指してみてくださいね!
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