子どもにとって良い子育てをしていくためには、ある程度ママの心が満たされていることが大切です。
こちらでは毎日の生活に生かしていけるような、心理学の具体的な考え方についてご紹介していきます。
ママが忙しい毎日の中でも、少しでも心地良い生活に向かっていけるように、ぜひ取り入れてみてくださいね!
感情は感じると消化されスッキリする
日本人は特に、自分の感情をあまり出さないで、周りと調和することが美徳と思うようなところがあるかもしれませんね。
それは本当の意味での調和にはなっていないのですが、特にネガティブな感情は出してはいけない、または感じてはいけないと思ってはいませんか?
人の感情は、心の中にたまっていきます。
でも感情は自然に浮いてくるので、抑えれば抑えるほど苦しくなります。
嫌なこと、怒り、悲しみ、そういう感情は、心の外に出さないでいると、どんどん自分の中にたまって、よどんでいってしまいます。
そんな状態が長く続いたらかなり苦しいですし、心の病になったり、体にも不調や病気になって、少しずつ表れてきてしまいますよね。
ネガティブな感情を心の中にためていて、何も良いことはありません。
感情は正しく感じて、消化することができると、スッキリした感覚になって、心の中から減らしていくことができます。
誰かに愚痴を聞いてもらったり、物に八つ当たりしたり、思いっきりカラオケで歌ったり、思いっきり泣いたり、外に感情を出すとスッキリしますよね。
それは別に誰かにぶつけなくても、自分なりに発散できる方法を選べばいいんです。
なんだか分からないけどイライラする、悲しくなる、泣けてくる、そんな時には我慢したり、なかったことにはしないで、そのまま感じればいいんですよ。
感情は出てきたり、たまってきたら、しっかり感じて出すことが大切です。
正しく感じると消化されて、心の中からその感情を減らしていくことができます。
たっぷり感情をためて、人に悪影響を与えるような大爆発にならないように、少しずつその都度発散していきましょうね!(これ、過去の私です。笑)
感情を無いことにしたり、見ないようにして、心の中に隠さないようにしてくださいね。
どんな気持ちも、大切な気持ちです。
感じたいように感じてもいいんですよ。
いやなものはいやでいい。
あなたが感じたいように感じていても、誰も迷惑じゃないし、弱いことはダメなことではありません。
だけど、ここで気を付けるポイントがあります。
いつでもイライラしている、いつでも泣きたくなるのなら、それは何かそうさせている原因があるはずです。
そこを少しでも改善することができれば、心はどんどん楽になっていきます。
感情は20分感じると消化される
怒りや悲しみなど、多くの感情は20分くらいしっかりと感じると、ある程度消化されていきます。
少し楽になったり、「もういいや」と思えて、別のことに気持ちを向けられるようになったり、ちょっと感覚が変わってくるはずです。
20分で消化されなかったら、それは本当の感情ではない可能性があります。
例えば、本当は悲しいのに、悲しみの本当の感情を出せずに、怒りの感情で表していたりすることがあります。
そうすると、偽物の怒りの感情を感じていて、本物の悲しみの感情を感じていないので、消化されないということが起こります。
例をあげると、自分は子育てで毎日忙しくて、友達と遊びに行くことなんて全くできないのに、旦那さんが友達と遊びに行っているとします。
それを見て腹を立てて、怒りを旦那さんや周りにぶつけていたとします。
でもイライラしていても、全くその怒りはおさまりません。
この場合、人によって感じ方は全く違うので、一概には言えませんが、例えば本当の気持ちは怒りではなく、悲しみだったという人もいたりします。
「私はこんなに毎日頑張っているのに、旦那さんは認めてくれない」「大変さを理解してくれない」「もっと私を見て欲しい」「一緒に子育てしてほしい…」
そんな悲しみの感情を、偽物の感情の怒りという形で出しているかもしれないのです。
「私は本当は、怒っているんじゃなくて悲しかったんだ」ということに気付いて、思い切り泣いて20分くらいその感情を感じたら、案外スッキリするかもしれません。
できるのなら、イライラを旦那さんや周りにぶつけるのではなくて、「私はこんな気持ちで悲しい」ということを直接旦那さんに言って理解してもらえると、ぐんと変わるでしょうね。
心の仕組みは複雑で、状況だけ見ると同じように見えても、その人によって心の中でどんなことが起こっているかは分かりません。
でも人によっては、このようなことが心の中では起こっている可能性があるんですよ。
安心感がないとネガティブな感情は出せない
そしてもう一つ、人は安心感がないと、特にネガティブな感情は出すことはできません。
例えば、子どもが保育所や幼稚園に入園して、初めての集団生活で頑張っている時に、よく見られる光景があります。
それは子どもが、お母さんがお迎えに来た姿を見て、突然泣き始めるということです。
これはまさに、それまで気を張って頑張っていたのが、お母さんの姿を見て安心することで「さみしかった・不安だった」というネガティブな感情を出すことができた状態です。
人は自分にとって、安心感のある環境や状況でないと、特にネガティブな感情は出せなくて、無意識に我慢したり、心の中に押し込めてしまうんですよね。
自分の中に、ネガティブな感情がたまっている時には、自分が信頼している人や友達、同じような状況にいる、理解してくれる人たちに聞いてもらうと、安心して感情を出しやすいですよ。
ストレス状態で固定観念が発動する
今までの記事の中でも、固定観念についていろいろとお伝えしてきました。
固定観念は人の心の中にある、他人や周りの状況によっても変わることのない、こり固まっている考えのことです。
そしてその多くは、小さい頃の親との関係性の中で作られたものです。
分かりやすく言うと「〇〇してはいけない」とか、反対に「〇〇しなくてはならない」こんな感じのものが多いですね。
人はストレス状態になると、自分が無意識に思い込んでいる、この固定観念が発動して動き出します。
特に子育て中は毎日忙しくて、自分にとって心身共に大きな負荷のかかる状態になりやすいので、いろんな固定観念があふれてきます。
・子育て中なんだから自分が欲しいものを欲しがっちゃだめ
・ママはいつも子どもと一緒にいなくちゃいけない
・子どものことをストレスだなんて思っちゃいけない
・母は子どもを守るためにもっと強くならなきゃ
・ママなんだから一生懸命育児しなくちゃ
・子どもに悪影響なものは絶対だめ
・自信ないしこんな母親で私には価値がない
あなたも、自分が無意識に持っている固定観念が、子育てを通してあふれ出していませんか?
余計つらい状態や、ストレスのかかる状態になってしまってはいませんか?
ママになったからって自分が欲しいものは欲しいと言ってもいいし、いつも子どもと一緒にいなくても誰かに見てもらってもいいんです。
子どものことがストレスでもそれは自然な感情だし、母だからって強くなくてもいいし、一生懸命に頑張って育児しなくてもいいんですよ。
子どもに悪影響なものを全部排除しようとするのって、大変で苦しくはないですか?
どんな母親でも、子どもにとっては一番大好きで、あなた以上に大切な存在はいないんですよ。
苦しいなと思った時には、そこにどんな固定観念が隠されているでしょう?
自分にとって必要な固定観念は大切に持っていてもいいですが、自分を苦しめたり自分が幸せにならないものは、好ましい固定観念に、自分の言葉で変えていきましょう。
ご自分の心と、ぜひ向き合ってみてくださいね。
「できない」はやらないと決めているだけ
赤ちゃんはきっと「ここでもし、寝返りうっちゃったらどうしよう」「歩いて転んだらどうしよう」なんて思ってないですよね。
歩いて転んだからといって「失敗した!失敗が怖いから、もう歩くのはやめよう」なんてことも思わないですよね。
そう考えると、私たち大人の心は本当に複雑で、小さい頃から身につけてきた固定観念が、びっくりするほど絡み合っているのだろうなぁと思います。
小さい子どものように、もっと純粋に今を楽しむことができたらいいですよね。
そんな忘れてしまったたくさんの感覚を、子育てを通して子どもと一緒に体験して、思い出していくことができるのも、子育ての貴重な時間ですね。
子育てママに多い、たくさんの「〇〇できない」は、本当にできないのではなくて、心の中で自分でやらないと決めているだけです。
人には誰にでも、自分では気付いていない無意識の見えない枠やレールがあって、そこからはみ出ることは難しいものです。
「自分は自由だ!」と思っているような人でも、生活に支障のない範囲での、制限された自由だったりします。
育児で時間がないからできない、お金がないからできない、子どもがいるからできない、もういい年齢だからできない、人に甘えるなんてできない。
本当は自分でやらないと決めているだけで、自分でできると決めて、実際に行動すればできるんですよね。
こういうときに、罪悪感が出てくる人もいます。
「子育て中なのに、こんなにお金を使ってもいいのかな。旦那さんにも悪いな…。」とか。
罪悪感は本来、生まれたときは持っていない感情で、学習して得る感情です。
文化として罪悪感の感情のない国もあるし、キリスト教のように文化としてあるところもあります。
グループの一員に属して、その中でルールを破った時に感じる感情が罪悪感です。
自分が罪悪感が出る状況でも、他の人にも同じように罪悪感が出るとは限らないんですよ。
自分が持つ固定観念を変えて、勇気を出してやってみると、そっちの方が楽だし楽しいということがたくさんあります。
自分の固定観念によって困っていたり、ストレスに感じたり、つらいことがある場合は、それを変えることによって、より幸せな状態に変わっていくことができます。
ずっと抱えたままだと、人生の足を引っ張られてしまうんですよね。
心の中を自分でしっかり掘り起こして対処していくと、もっと幸せな自分になることができます。
誰でも最初は練習が必要
固定観念は小さい子どもの頃に、その時の自分にとっては必要で身につけた、考え方や感じ方、行動のパターンです。
大人になるまでずっと長い間繰り返してきたものなので、そのパターンをすぐに変えることは難しいものです。
人はやったことのないことはなかなかすぐにはできないので、1つ1つ練習していく必要があります。
人に甘えてみること、人に「手伝って」と言うこと、自分を出して気持ちや考えを人に伝えてみること、自分の弱い部分を見せること。
でも、怖くてできないという人もいますよね。
親に「助けてほしい」というサインを受け入れてもらえない体験や、拒絶された体験があると、「助けて」が怖くて言えなくなる場合もあります。
「体を壊すなんて、お前がたるんでるからだ!」と言われて育った人は、大人になってからも体を壊してでも頑張って人から認められようとします。
子供の頃からやったことのないことは、1つ1つ練習していくことで、少しずつできるようになっていくので大丈夫です。
苦手だなと思うことも、練習を重ねていけばきっとできるようになると思って、少しずつやってみてくださいね!
仕事でパワハラ上司がいる場合は
あなたが子育てをしながらお仕事をしていて、パワハラ上司がいる場合には、それも大きなストレスになりますよね。
パワハラ上司の場合、その上司は自己肯定感が低かったり、「ありのままの自分には価値がない」というような固定観念を持っている可能性があります。
そのような固定観念を持つ場合、人によって絶望的な方向に表れる場合と、反抗的な方向に表れる場合があります。
パワハラ上司は反抗的な方向に出ている状態で、人よりも自分には力があり、価値があるということを無意識に示そうとしているんです。
それに対して、周りは何も対処はできないと思うかもしれませんね。
でもそのパワハラ上司が抱えている心の穴を満たすことで、自分に攻撃が向きにくくすることはできます。
何でも相談したり、頼りにする態度をこちらが見せれば、パワハラ上司のトラウマは刺激されないので、少なくとも自分には攻撃が向きにくくなります。
「あなたのことを大切に思っていますよ」「尊敬していますよ」というメッセージを送ることで満たしてあげることができます。
また、心にトラウマを持っている男性は、3歳児と同じように暴れたりかんしゃくを起こすといいます。
そんな男性に効く言葉は「さしすせそ」
「さすが・しんじられない・すごい・センスいい・尊敬しています」だそうですよ。
そういう周りからの言葉で、自尊心を満たされるのですね。
子どもが仮病を使う?
お子さんが嫌なことがあると、すぐ仮病を使うからイライラする、そういう人はいませんか?
私のお友達のママにもいましたよ。
「子どもが学校に行きたくないからって、すぐにお腹痛いとか頭痛いとか言う。」と言っていました。
でもそれって、本当に仮病でしょうか?
人は病気になることで、メリットを受け取ることがあります。
熱を出せば学校に行かなくて済むとか、体調が悪いと人に優しくしてもらえるとか。
これって二次的疾病利得といって、症状が出ることによって、二次的に現実的な利益を得ることができることを言います。
この場合、仮病なのではなくて、その人にとっては本当に実際の症状が出て、本人はつらいということもあるんですよ。
中には、小さい子どもの頃にこの方法を自分の中に取り入れて、身につけたまま大人になってしまう人もいます。
自分の中の本当の問題と向き合わずに、体の症状や病気を起こして無意識に回避しようとしてしまいます。
なぜか自分でも分からないけど、慢性的な体調不良があったり、愛情が不足すると病気になったり、ストレスや不安があるとすぐ体調を崩したり、そういうことはないですか?
お医者さんに、どこも身体に悪いところはないと言われても、実際に体調が悪かったりします。
良い悪いではなくて、その人が子供の頃からやってきたやり方なんですよね。
これで困っていたり、大人になって不都合があるなら、変えていけばいいんです。
お子さんがすぐ仮病を使うという人は、もしかしたら本当に不調を感じているのかもしれません。
それに心の中に、他に何か抱えているものがあるのかもしれません。
そういう視点も持ちながら、お子さんのことをよく見てみてくださいね。
子どもは周りの環境でいくらでも変わっていく時期なので、固定観念のシステムがまだ固まってはいません。
子どもの頃に思い切り甘える、思い切り感情を出す、世話をしてもらうなど、十分に依存する体験がないと、健全に自立していけません。
お子さんにも、必要な感情を思い切り出させてあげてくださいね。
まとめ
私たち大人は、自分の幼少期の初期設定が当たり前になっているので、どんなに大変でもそれが心地よいと感じてしまうところがあります。
でも何か悩みやストレスを感じることがあるのなら、自分で好ましい設定を選択し直して、少しずつ練習してそのパターンを変えていくことができます。
そして自分自身が変わっていくと、周りの家族や職場の人たちなども変わったように感じることがあります。
それは、全ては自分が相手に影響を与えて、相手にそうさせていただけだ、ということもあるんですよね。
感情を抑えるということは、エネルギーを使う、とても疲れることです。
ある日、突然電池が切れたようになったり、我慢して良いことは何もなくて、ためると体には悪影響です。
ぜひご自分の心と向き合う方法を身につけて、たまってしまう前に少しずつメンテナンスができるようにしてみてくださいね!
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