心の栄養は人とのやりとりで満たされる、あなたは大切な存在

花のハート 心理学

前回の記事では、心理学で考える基本的な心の仕組みについて、主に固定観念という部分からお伝えしました。

その考え方を元にこちらの記事では、子育てでの生かし方について、もう少し具体的にお伝えしてきたいと思います。

もしまだ前回の記事を読んでいない方は、まず最初にそちらをお読みになってから、こちらをご覧くださいね!

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<前回の記事はこちらからどうぞ>
心理学の心の仕組みの考え方、固定観念は親との関係性でできる

固定観念のおさらい

母と赤ちゃん

子どもは親に愛されるため、お世話をして育ててもらって、自分の生存を守るために、必要なルールや固定観念を少しずつ身につけていきます。

家族の中でその一員として生きていくために、無意識に家族と同じようなふるまいをし、同じ感情を感じようとします。

あなたも、自分の子供時代を振り返ってみてください。

親がこういう様子の時には、その状況を乗り切るため、または親を喜ばせるために、このように行動するというようなマイルールを、無意識にたくさん身につけてきたはずです。

公園を手をつないで歩く親子

「お姉ちゃんだからいつでも私が我慢しなくちゃ」「家が貧乏だから欲しい物があっても言っちゃいけない」「本当は嫌だけど、ママが喜んでくれるから我慢してやる」とか。

大人になってから抱えている問題は、そのほとんどが幼少期の親との関係性が原因になっています。

人格形成の根っこに影響を及ぼす、一番元になる最初の原体験が、多くの場合は小さい頃の家庭内での出来事や、親との関係性の中にあるからです。

子どもの頃に身につけた思い込み、固定観念、このような場合にはこう対応するというパターンは、子どもの頃には必要だったから、自分を守るために身につけたものです。

でもそれは、子供時代を生きて行くのには必要でも、大人になって、親がいなくても自分で考えて行動したり、生活ができるようになった時には、もう必要のない固定観念です。

大人になった今は、いつでも自分が我慢しなくてもいいし、欲しい物があったら買えばいいし、人が喜んでくれるからといって嫌なことを我慢してやらなくてもいいんです。

人はそれぞれ、いろいろな悩みやトラウマ、症状や病気などを抱えています。

子どもの頃に身につけた考え方や行動のパターン、固定観念を、大人になってからもずっと自分の中で、無意識に採用し続けているために、悩みやトラウマ、病気になって表れています。

それは、自分のこれからの人生のために、次へ向かう時が来たということを知らせるサインです。

子どもの頃からのやり方を続けてきて、大人になって困っていたり不都合があるなら、自分で好ましいものを選択し直して、変えていけばいいんです。

子育てでママもより幸せな人生へ

親子の手

あなたが、自分のお子さんに幸せになってほしいと思ったら、まずはママが幸せになることです。

子どもに楽しい人生を送ってほしかったら、自分が楽しい人生を送っている姿を見せることです。

子どものためにどんな教育をするよりも、それが一番の近道で、効果が大きいものなんですよ。

子どもの人生には、親の姿がそのまま影響を与えていきますから。

ぜひ、毎日の子育てに心理学を生かしていくと共に、ママ自身も今までの人生を振り返ったり、これからの人生について考え、親子で笑顔あふれるハッピーな人生にしていってくださいね!

では次から、今回の記事の本題に入っていきます!

体の栄養は食べ物、では心の栄養は?

野菜や卵

私たちは、体の栄養を食べ物から得ていますよね。

では心の栄養は、何から得ているのでしょうか?

心理学では、心の栄養は人とのやりとりで得ていると考えられています。

この人とのやりとりのことを、心理学ではストロークと言います。

ストロークは、ポジティブなプラスのものと、ネガティブなマイナスのものがあります。

もちろん、優しい言葉や、好意的に受け入れてくれている表情、態度など、ポジティブなプラスのものを受け取りたいですよね。

このような人とのやりとりで、私たちは心が満たされて、栄養を得ていると考えられています。

ママとハートを持つ赤ちゃん

人はストローク不足になると、実はマイナスな否定的なものでさえも、無意識に欲しがるようになるんですよ。

愛情の反対の言葉は、無関心と言ったりもしますよね。

無視や無関心が続いていたり、心の栄養が満たされていないと、無意識に相手を怒らせようとしたり、嫌がられるようなことをして、相手からのストロークを引き出そうとします。

これはその人にとっては、無意識にしている行動なんです。

ただ、マイナスで否定的なストロークばかり受け取っても、どんどん心が苦しくなったり、心が閉じていってしまうだけで、それは本当に望んでいることではないですよね。

でも心の栄養が欲しくて、無意識にそのような行動をとってしまうんですよね。

プラスのやりとりがしっかりあって、心の栄養が満たされていれば、わざと怒られるようなことをする必要はないはずです。

私が保育所で働いていた時も、そういうお子さんがいました。

「どうしてわざと、怒られるようなことばかりするんだろう」「自分で分かってるはずなのに、なんでまたお友達の嫌がることをするんだろう」周りからそう思われるような行動が見られていました。

本当はそんなことする必要はないのですが、心の栄養が満たされていないんですよね。

その子にとっては自分を見てほしい、関心を向けてほしい、自分の心を満たしたくて無意識に繰り返してしまうんです。

男の子

そんな行動をとらなくてもちゃんと見てるよ、大切に思っているよ、大好きだよ、そう繰り返し言葉や表情、行動で示して伝えて、心を満たしてあげることで、少しずつ落ち着いていく場合もあります。

でも子どもがそれを一番に求めている相手は、お母さんやお父さんです。

そこがうまく満たされていかないと、なかなか難しいですね。

お母さんと築く、愛着という心の結びつきや絆が、子どもの人格形成や心の発達の一番の土台になる部分だからです。

人の心は苦痛を避けようとする

両手で顔を隠す少女

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子どもは親を愛しているのに、自分が求める愛情が親から帰ってこないと、子どもの心は満たされません。

人は不快な状況や苦痛は無意識に避けようとするので、心が満たされないその不快な状況をだんだん避けようとします。

するとこのような場合「自分は親のことなんか愛していないし嫌いだ」という偽物の感情が生まれてしまう場合があります。

本当は自分も親を愛していて、同じように愛を返してほしいのに、それが叶わないから心がその苦痛を避けようとしているんです。

「愛してもらわなくても平気だ」そう自分の心を麻痺させていきます。

こうやって、親子のお互いの感情は、どんどんこじれていってしまうんですね。

心の中にあるこのような感情は、うまく隠したように見えていても、いつまでも心の中に残ったまま存在しています。

よくサスペンスドラマとかでありますよね。

あんなに深く愛していたのに、あるとき深い憎しみに変わってしまうというような話が。

プラスの感情が深いほど、マイナスに転じた時の深さも、同じくらい深くなります。

なるべくポジティブでプラスのやりとりを

あなたはいつもお子さんと、ポジティブでプラスなやりとりをしていますか?

大人もそうですが、子どもだってネガティブでマイナスなやりとりをされるのは嫌ですよね。

しかも子どもにとっては、自分が一番大好きなママにそうされたら、悲しい気持ちになってしまうかもしれません。

でも忙しい毎日の中で、ついネガティブなやりとりになってしまうことも、たくさんありますよね。

お子さんが小さいうちは「毎日がネガティブ…」というママも、多いかもしれません。

でも「今、すっごくイライラしてるからごめんね」「さっきは疲れていて、あんなこと言っちゃったの」と、その都度ちゃんと子どもに伝えれば大丈夫です。

お子さんに対して、なるべくポジティブでプラスなやりとりを、できる範囲でいいので心がけてみてくださいね。

それをするためには、ママ自身がある程度、心の栄養が満たされていないとできないですよ。

花のハート

ママがへとへとに疲れていたり、毎日時間に追われすぎていたり、ストレスでいっぱいなのに、子どもにはプラスのやりとりを、なんてできないですよね。

まずは自分に優しく、自分自身の心と体のケアを心がけて、ママ自身の心に少し栄養を補給してから、お子さんにもプラスのやりとりを心がけてみてくださいね!

なんでも一番になりたい子ども

順位の旗

保育所や幼稚園などの集団の中で、子供によく見られる姿に、なんでも1番になりたがる子どもたちがいます。

競争しなくてもいいようなことでも、なんでも一番にならないと気が済まないという子どもたちです。

この場合、負けず嫌いというのとは違うんですよ。

かけっことか、何か勝敗をつけて楽しむような遊びなら分かるんです。

でもそうじゃなくて、例えば保育所なら、早く給食の準備を終わらせて1番になりたいとか、並ぶときにいつでも列の一番先頭に並びたいとか。

一番になることによって特別なメリットは設けていないですし、他の多くのお子さんは一番を目指そうとはしない場面で、やたらとライバル心むき出しで、一番になりたがる子どもたちがいます。

このような時、中には友達の競争している姿を見て、面白そうだから加わっている子もいるかもしれません。

でもそうではない、どんなときでも一番になりたがる子どもたちの心の中には、自己肯定感に関する固定観念を持っている場合も多くあります。

自分に対する自己肯定感が低いために、1番にならないと自分には価値がないと無意識に思っているんです。

1番になることで、自尊心を満たそうとしているんですね。

ある程度自己肯定感が高い子どもたちは、その競い合う姿を見て「そんなことで一番になってどうするの?」と冷静な口調で言っていたりします。

このように、人の性格や行動パターンなどは、身につけている固定観念から少しずつでき上がっていきます。

いい子じゃなくても大切な存在

ジャンプする子ども

私たち親は、子どもの健やかな心の成長のために、何ができるでしょうか?

人の性格や人格形成、心の発達の土台になるのは、お母さんと築かれる愛着という心の結びつきや絆の部分です。

人間の発達には、獲得するのに適した臨界期というものがあって、その時期を過ぎると獲得するのが難しくなります。

愛着形成は、1歳半くらいまでが大切な時期と言われています。

乳幼児期に、ママとのスキンシップや向けられる優しい表情、声かけなどが密接にされて、お互いのやりとりが継続的に行われることで、愛着は少しずつ形成されていきます。

また、自己肯定感も人間の発達の土台になる大切な部分です。

仕事や収入、職場での人間関係、恋愛や結婚、自己実現など、人生を満足して歩んでいる人とそうでない人とでは、能力や才能以前に、この自己肯定感が高いか低いかによって、大きな違いが出てきます。

人の自己肯定感は、人生のあらゆる面に影響を与えて、人生の中で満足度や幸福感を決定づけているものです。

私たち親が毎日の子育てで、我が子のために家庭の中でできることは何でしょうか?

それは、子どもがどんな性格やマイナスと思える特徴、欠点を持っていても、どんなに失敗を繰り返しても、どんな状況であったとしても、大切でかけがえのない存在だと、無条件にありのままを受け入れることです。

ただそこに存在しているだけで、大きな価値のある大切な存在だということを、子どもに具体的な言葉や表情、態度や素振りなどを通して、繰り返し伝えていくことです。

乳幼児期に、親に無条件に受け入れられる経験を重ねた子どもは、愛着形成がしっかりとでき、自己肯定感も高く、その後の人生を自分で生きていくための土台がしっかりと作られています。

いい子でいれば誉められるという条件付きの愛情ではなく、たとえいい子じゃなくても、どんな状況でも愛されるという経験をたくさん与えてあげてくださいね。

そうすると結果的に、子どもはすくすくと健やかに大きくなって、自分で生きる力を持ったすてきな大人に成長してきます。

夕日と男の子

まとめ

心理学で考える心の世界の仕組みが、少しずつ見えてきましたか?

私たち人間は、心の栄養を人とのやりとり、ストロークから得ています。

なるべくポジティブでプラスなやりとりを、心がけていきたいですね。

そのためには、まずママ自身の心の栄養補給を忘れないようにしてくださいね。

子どもの心がどのように発達していくのか、そして大人になってからの人生にどう影響していくのかを理解できると、毎日の子育てや声がけも少しずつ違ってくると思います。

ぜひ毎日の子育てに心理学の考えも取り入れて、参考にしてみてくださいね!

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れっきー

子育てライフカウンセラー・保育士として個別相談や情報発信を行ったり、宮城県で子育てサロンを運営しています。

19年の公立保育所勤務経験があります。

自分の子育てには、保育士経験だけでなく、心理学やスピリチュアルの学びも取り入れています。

わがやの子育てについての考え方や実践を、ぜひ参考にしてみてくださいね☆

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