右脳教育って聞いたことはありますか?
よくテレビなどで、カードを高速でめくって子供に見せるフラッシュカードをやっていたりしますが、見たことありますか?
右脳教育って聞くと「ちょっと怪しい」とか「本当に効果あるの?」と思う人もいるかもしれませんね。
でも人間の脳の仕組みを知ったら、自分の子育てにも取り入れてみたい、そう思うかもしれません。
実は右脳の働きを意識した子育てが、とても効果的なんですよ。
右脳の働きや特徴、右脳教育についてお伝えします!
人間の脳には右脳と左脳がある
人間の脳には、右脳と呼ばれる部分と、左脳と呼ばれる部分があります。
右脳人間とか左脳人間という言葉を、聞いたことがあるかもしれませんね。
右脳と左脳とでは、それぞれ得意としている働きが違うので、どちらの脳が優位になっているかによって、その人の特徴も違ってきます。
それぞれの特徴を、簡単にお伝えしていきますね。
右脳は感性を司る部分で、イメージしたり創造したり、ひらめきや直感に関する部分です。
それに対して左脳は、論理的に考える脳で、言語脳や論理脳などと言われます。
左脳は覚えられる量に限界があってすぐ忘れてしまいますが、右脳は写真能力とも言われていて、一瞬で写真を撮るように記憶できて、高速にインプットや情報処理ができます。
でも、右脳と左脳どちらの方が良いと言うことはなくて、私たちが生きていく上ではどちらも大切です。
そのバランスが重要なんですね。
脳は6歳で80%が完成する
生後すぐは右脳は全開で、フル回転している状態です。
小さい子ほど、大人が見えていない世界も実は見えていたり、感覚で分かっていたりすることが多いというような話を、聞いたことがあるかもしれません。
それから、子供がまだお腹の中にいる時に起こった出来事を、大きくなってから見てもいないのに子供が話し始めたというような話もあります。
お腹の中の胎児は、右脳が全開の状態で、全てを感覚でキャッチして分かっているという話もあります。
お腹の中にいるときから、既に子育ては始まっているんですよね。
小さい頃はそんな右脳が優位な状態でも、成長と共に少しずつ、左脳が優位になっていきます。
大人は左脳が優位の人が多いですよね。
そして、人間の脳は6歳くらいまでに急激に発達していって、その80%が完成します。
6歳というと年長さんくらいで、まだ小さいですが、脳は既に80%も完成しているんですね。
右脳教育は右脳が優位な乳幼児期(特に6歳頃まで)に行うことが効果的だと言われています。
右脳がより開いた状態の、小さい年齢ほど効果的です。
私たちが日本語を当たり前に話せるようになったのも、右脳が優位な乳幼児期に学習したからです。
大人になってから外国語を勉強し始めても、なかなか身につきませんよね。
生後なるべく早い時期から、できるならママのお腹の中にいる胎児の時から、右脳を意識した子育てをすることが、とても効果的です。
脳の神経回路とシナプス
脳は新しいことを学習すると、神経細胞からシナプスというものがどんどん枝分かれをして、別の神経細胞に繋がり、新しい回路を作っていきます。
子供の脳は、どんどんその新しい回路が作られている状態ですね。
でも、使われない回路のシナプスは、消えてなくなるという説もあります。
だから乳幼児期に楽しい、嬉しい、気持ちいいなどという快を感じる神経回路が発達した子供は、大人になってからも快の感情を感じやすくなります。
反対に、乳幼児期に怖い、痛い、気持ち悪い、さみしいなどの不快を感じる神経回路ばかり使われていた子供は、大人になってから不快や不満ばかり感じやすい人になってしまうということですね。
右脳教育のフラッシュカードとは
右脳教育でよく使われる、フラッシュカードというものがあります。
カードに書かれているのは国旗の国名や、道路標識、漢字、ことわざ、偉人の名前、英単語、算数に関するものなどその種類は様々です。
カードを高速でめくって見せて、カードの情報を右脳に大量に高速でインプットさせるものです。
右脳は高速にインプットや情報処理ができるので、右脳の新しい回路を作って発達させていくことが目的です。
ここで勘違いしてはいけないのは、国旗の国名などカードの中身を暗記させることが目的ではないということです。
熱心なママほどついやってしまいがちなのが「この前覚えたはずでしょ?忘れたの?もう一回ちゃんと覚えて!」と叱ってしまうことです。
覚えて暗記させることがねらいではなく、新しい神経回路を作るためにするんです。
フラッシュカードをして新しい神経回路が作られ発達していれば、大量に高速でインプットできるその回路は、これからずっと使っていくことができます。
だから、正解や不正解にこだわったり、ちゃんと暗記できているかどうかを確認することはしてはいけません。
せっかく楽しんで取り組んでいても、子供はとたんに嫌になって、やらなくなってしまいますからね。
好奇心や探究心を育てる
右脳教育は、フラッシュカードやCD、絵本、パズル、などいろいろな教材を使って、右脳の神経回路を育て発達させていきます。
高速インプットや大量の情報処理を通して、子供はたくさんの情報に触れることができます。
そうすると、どんなことが起こると思いますか?
人は自分が知っていることに対しては、無意識に興味を持ちます。
例えば、文字をまだ知らない子どもは、町で見る看板、本などの文字を目にしても、当然関心は持ちませんよね。
でも文字を早く覚え始めた子は「あっ!字が書いてある!なんて書いてあるんだろう!」と興味を持ちます。
数を知っている子は数に、植物を知っている子は植物に、新しい虫を知った子は虫に、世の中のあちこちに興味を持ち、開いているその右脳で、さらに情報を自分からどんどん吸収していきます。
それによって、新しいことを学習する脳は、新しい神経回路をどんどん増やしていきます。
つまり、その子のいる世界がぐっと豊かに大きく広がっていくんですよね。
右脳教育を取り入れる大きな効果は、ここにあります。
水を吸う乾いたスポンジのように、何でもぐんぐん吸収していく時期に、そういう環境にあったら、子どもの吸収力はさらにアップしていきますよね。
子どもの視野を広げて、好奇心や探究心、学ぶ意欲を育てること、それが右脳教育で得られる大きな効果です。
右脳教育は通信教材か教室か
右脳教育を自分の子供の子育てに取り入れてみたいと思った時に、自宅でできる通信教材もありますし、教えてくれる教室もあります。
でも、何をするときでもそうですが、人によって合う合わないがあります。
子供が喜んで取り組めるかどうか、ママも負担なく続けられるかどうかを見極めたいですね。
子供が嫌がったり、強制してやらせるようなら、大きな効果は期待できないですし、それ以上に子供にとって精神的に良くない影響が出る可能性もあります。
楽しんで取り組めるかどうかを、よく見てみてくださいね。
自宅でできる通信教材の場合は、どのような頻度で取り組むか、回数や時間など目安がある場合があります。
それがママの「やらなくちゃいけない!」という精神的負担やストレスになるようなら、子供にとって良い影響はないので、やめた方がいいかもしれません。
私も「家庭保育園」という右脳教育の通信教材をやっていたことがあります。
でも、使えていたのはたくさんある教材の中のほんの一部で、「やらなくちゃ!」という気持ちだけが焦って、私の場合あまり長くは続きませんでした。
そのうち、すぐに育休から職場復帰しましたしね。
ママが子供に、ある程度のゆとりを持って接しながら使っていけるかどうかも、判断してみてくださいね。
教材や教室を利用することで、ママ自身が右脳教育や、子育ての大切なポイントや考え方について学ぶことができるというメリットもあるので、必要かどうかを判断すると良いですね。
お金も時間も余裕がない…
右脳教育は右脳が優位な乳幼児期の、特に6歳頃までに行うことが効果的と言われています。
我が家の場合は、上の子が2歳になる前に教材を取り入れましたが、教材は上の子に使って、0歳の下の子はそれを聞いたり、横でたまに見るくらいで十分だと教材の担当の方に教えてもらいました。
そのくらい、小さい子ほど右脳の吸収力がすごいのだそうです。
右脳教育は単に記憶力がある、暗算力がすごい、知能指数が高い、成績が良いということを目指すのものではありません。
それは結果として、自然についてくることです。
本当の目的は、乳幼児期に右脳を鍛えることで、大切な我が子の人間力が高まり、豊かな人生を送れるようになるということなんですよね。
右脳教育を自分の子育てにも取り入れてみたいという気持ちに、少しずつなってきましたか?
でも中には教材や教室にお金はかけられない、というご家庭もありますよね。
右脳教育に関する教材や教室はそれなりに金額がかかるものなので、難しい場合もあると思います。
それに共働きだったりすると、教室に通ったり、教材を自宅で使う時間なんてとれないという人もいますよね。
では教材や教室を利用しないで、子供の右脳を鍛えることはできないのでしょうか。
私のように、かえって「ちゃんとやらなきゃ!」とイライラしたり、子供もそれがあまり好きではないみたい、というなら他の方法を考えましょう。
テレビで紹介されるようなスーパーキッズを目指したいのなら、教室へ通うのが良いと思います。
でもそうでなければ、家庭でのお母さんの日常的な接し方や、働きかけの仕方次第で、子供の右脳を鍛えることは十分にできます。
次からは、家庭でできるおすすめの子供の右脳を鍛える方法についてご紹介します!
家庭でできる右脳教育のおすすめの方法
私が「家庭保育園」の教材を使っていた時に教えてもらった、大前提になる大切な考え方があります。
それは子供にとっては、お母さんが一番の先生だということです。
子供にとって一番大切なのは、毎日子供が過ごしている家庭であり、一番接する時間の長いお母さんが、子供にとっての一番の先生になります。
子供はお母さんが大好きです。
そのお母さんに教えてもらったことは、子供の中にどんどん入っていきます。
お母さんが忙しい毎日のでも、ちょっと意識したり心がけて取り組むことで、子供にとっての影響は大きく違ってきます。
次からお伝えすることは、何気ない些細な内容に思えるかもしれませんが、お母さんがその効果や影響を理解した上で取り組むことで、さらに効果が違ってきます。
ぜひ、毎日の生活の中でできることは、意識して取り入れてみてくださいね!
大人がとにかく何でも話して聞かせる
私が教材担当の方からよく言われたのが、お腹の中の赤ちゃんでも、新生児、乳幼児、小学生でも、大人がとにかく何でも話して聞かせることの大切さです。
「そんなに高い知識でなくていいから、とにかく親が何でも話して聞かせることが大事」とよく言われました。
本に地球の絵が出てきたら「これは地球と言ってね、私たちが住んでる星だよ。他にも宇宙にはこんな星があってね…」
そんなふうに宇宙や自然環境、動物、物の重さ、社会の仕組み、お金の計算、子供が理解できるかは気にせずに、自分が知っていることを何でも話して聞かせます。
子供の右脳には、実は大人が想像できないくらいの情報量が入っていっています。
「子供だから分かるわけがない」というのは、大人の勝手な思い込みなんですよね。
そしてその情報がいつ引き出されて、どんな方法で子供の人生に生かされていくかは誰にも分かりません。
だから、親は計り知れなく情報を吸収できる子供の右脳に、ただ情報をどんどん入れてあげればいいんです。
そして「分かった?分かったなら言ってごらん」などと、分かったかどうかを絶対確かめてはいけません。
理解度を確かめられると、子供は学ぶことが嫌になってしまいますよ。
たくさん絵本や歌を聞かせる
絵本の読み聞かせの大切さは、一般的にもよく言われていますよね。
私は保育所に勤めていた時に、その子の年齢、月齢にしてはかなりおしゃべりが上手な子がいたので、その子のお母さんに聞いてみました。
すると「絵本が好きなので、毎日10冊読んでるんです」とのことでした。
働くママで、子供に1日10冊読み聞かせをしているママがいるなんて驚きました!
私、保育士ですけど、毎日10冊は無理でしたよ…。
やっぱり読み聞かせは効果があるんだなと思いました。
寝る前にお布団で絵本の読み聞かせを習慣にしている方もいますが、私自身は絵本の読み聞かせではなく、毎回歌で寝かしつけをしていました。
保育士なので、童謡ならいくらでも知っていますし、歌うことは好きなので。
ママが好きなことや、ママに合ったスタイルを取り入れることも、うまく続けていくコツですね。
「子供にとってこれが良い」と言われていても、自分が好きじゃないことや楽しくないこと、苦痛なことは続けられないですよね。
そんな時は、全く同じ方法でなくても、自分に合った方法や、やりやすい方法で取り入れれば大丈夫です。
私は子供が寝入るまで、体を優しくトントンしたり、なでたりしながらひたすら何曲も歌い続けました。
童謡は基本的に短い歌も多いので、毎日15~20曲くらいは歌っていましたね。
子供の脳に、歌の歌詞の様々な言葉と、音感が入っていたと思います。
その効果からか、ずっと歌で寝かしつけをしていた長男は、言葉の語彙量も多く、音程もしっかりしていて、歌が上手な子だなぁと小さい頃から思っていました。
絵本や読み聞かせが好き、歌が好きなママは、ぜひ毎日の習慣にしてみてくださいね!
もしどちらもそんなに好きではないという人は、たくさんの情報をインプットすることが目的なので、手段はなんでも大丈夫です。
子供向けのCDをただ流すだけでも、音楽やたくさんの言葉に触れさせることができますね。
自分に合った方法、無理なくできそうな方法を探してみてくださいね!
作って遊ぶ創造遊びをたくさん経験させる
手を動かして何かを作るということは、右脳を刺激します。
絵を描いたり、ハサミで紙を切って貼ったり、粘土で作ったり、空き箱をセロハンテープでくっつけたり、子供は作って遊ぶことが大好きですよね。
まだそこまでの作業が難しい年齢なら、簡単なパズルやブロックでもいいですし、積み木を自由に積み重ねたり、砂遊びでもいいですね。
絵の具遊びや色水遊び、折り紙、大きくなったらノコギリなどいろいろな道具を使った遊びもできるようになります。
自分の頭の中にイメージしたものを、自由な発想で作り出して形にする創造する遊びを、小さいうちからたくさんさせてあげましょう。
その時に大切なことは「ここをもっとこうしたら?」「これじゃダメじゃん」など、親が余計な口をはさみすぎないことです。
もちろん、子供の想像力を広げるような声がけや「上手にできたね!」という誉める言葉がけは大丈夫です。
4、5歳くらいになってきたら、材料を子供が自由に自分で出し入れできるように、環境を整えてあげるといいですよ。
セロハンテープやガムテープなどのテープ類、色鉛筆やペン、折り紙、ボンド、ひも、輪ゴム、プラスドライバーなど、自分で取り出しやすい引き出しや箱にまとめておきます。
そうすると子供は、自分の思いついたタイミングで、すぐにやりたい時に創造遊びに取り組むことができます。
材料にそんなにお金をかけなくても、段ボールや空き箱、プリンのカップ、トイレットペーパーのしんなどの廃材でも、十分に遊ぶことができます。
自由に想像力を働かせて、のびのびと自分で生み出す体験をたくさんさせてあげてくださいね。
前に、幼児教育に携わる人たちの集まりの中で出たお話が、とても印象的でした。
それは「作る遊びって、大人になった時に、自分の人生をクリエイトして自分で作っていく力につながっているんだよね」ということでした。
私自身、公務員を退職して、これから自分の人生をどうクリエイトしていこうかというタイミングだったので、まさにその通りだなと実感できました。
小さい頃から自由に創造することに慣れている子は「どうしたらもっと良くなる?」「もっと面白くするにはどうしよう?」「どうやったらこの状態を乗り切れるかな?」そう考えるのが得意な気がします。
「どの材料を使ってどう組み立てたら、どんな形にできるか」と頭の中でイメージする思考回路が既にできていて、その経験値が高いんですよね。
ぜひ毎日の生活の中で、自分で考えて自由に作る遊びを、たくさん経験させてあげてくださいね!
まとめ
右脳教育は、お腹の中にいる赤ちゃんの時から始まって、なるべく早い時期から意識して取り組んでいくことが効果的です。
そして、やり方や手段にこだわるのではなく、どのような意味があってやるのか、どんな効果が期待できるのかを、親がきちんと理解した上で行うことが大切です。
一方的にやるのではなくて、子供の反応をよく見て、無理なく楽しんでできる方法を、選択できているかも確かめながら進めていくといいですね。
子供にとって影響力のあるのは、一番は家庭で、いつも一緒にいるお母さんの存在が重要です。
お母さん自身も無理なくできる方法を見つけてみてくださいね!
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